【新機能紹介】
合成スイングアバター

「目指すべきフォームだけでなく、悪い形も記録することで効率的なスイング作りが可能になる新機能です」

『マトウスゴルフ』のアプリに新機能がリリース。アドレス・トップ・インパクト・フィニッシュの4つ部分で、任意の姿勢を記録し、1つのスイングとして合成してアバターを作成する機能です。

アプリに追加された新機能を『マトウスゴルフ』導入プロが解説

センサーを搭載したウェアとリストバンドを着用することで、スイング時の前傾角度や捻転量を“見える化”できるツールが『マトウスゴルフ』です。計測したスイングデータをチェックするアプリの機能は日々アップデートされ、便利な新機能が続々リリースされています。そこで今回は新機能の一つである「合成スイングアバター」について、スイング・ギアに精通しプロからアマチュアまで幅広く指導する岩本肇プロに徹底解説していただきました。ゴルファーのスピード上達につながる活用法についてもご紹介していきます。

東京都内を中心にレッスン活動を行う岩本肇(いわもと・はじめ)プロ。豊富な知識に基づく分かりやすく丁寧なレッスンが人気で、ゴルファーの効率的な上達をサポートしています

レッスン中に体感した目指すべきスイングをアバターで再現して記録できる

ゴルフを上達させるには、効率的にボールを飛ばせる整ったスイングを身につけることが大切です。そのため、プロはレッスンを行う際、闇雲にボールを打ってもらうのではなく、トップやインパクトでスイングを止めてもらい、肩や腰の回転、手元の位置などをズラして直すことで、正しい形を体感してもらう指導を行うことが多いです。スイングしている本人の意識と実際の動きのギャップを知ってもらうことが、スイングを向上させるために重要なプロセスだからです。

こういった指導をする際に役立つ新機能が「合成スイングアバター」です。

『マトウスゴルフ』では、ボールを打った時のスイングだけでなく、リアルタイムに動きの変化をチェックすることも可能となっています。このリアルタイムチェック機能を活用し、前述したような目指すべきフォームをプロが作り、その形をアプリに記録。アドレス・トップ・インパクト・フィニッシュの4点を記録し、それをアプリ内で1つのスイングに合成し、スイング比較用のアバターを作り出せる機能が「合成スイングアバター」です。今まではプロに作ってもらい、その場で体感して終わりだった目指すべきスイングの形を、データとして記録することができ、レッスン後の振り返りなどで活用することができるようになりました。

「人はそれぞれ年齢や筋力、柔軟性に違いがあり、目指すべきスイングも当然、違ってきます。ゴルフのレッスンでは、その人に合った効率的なスイングに導くことが非常に大切ですが、その動きを理解し、体感してもらうことに今まで苦労してきました。人の感覚とは難しいもので、口頭で説明したり、動画で見せたりしても、なかなか意識と現実の動きとのギャップを受け入れてもらえないのです。しかし、『マトウスゴルフ』を使い、新機能の「合成スイングアバター」も活用することで、目指すべきスイングを具体的な数字でお伝えすることが可能になりました。生成したアバターとリアルタイムのスイングを比較することもできますので、どうすればその人にとっての理想的なスイングになるのか、目標を共有しながら、練習してもらうことができています」

スイングのフォームを指導しながら、良い形になったところで記録。アドレス・トップ・インパクト・フィニッシュの4点を1つのスイングに合成することで、その人が目指すべきスイングの形が明確になります

悪い例も記録しておくことでスイングの現状を知りやすくなる

「合成スイングアバター」機能で、目指すべきスイングのアバターを作成する際には、良い動きを大げさに行うことが大切だと岩本プロは言います。

「スイングのフォームを変えるというのは大変な作業です。やり過ぎと感じるくらい、大げさに動きを変え続けて、初めてスイングは少しずつ良い方向に改善されていきます。そのため、アバターを作成する際も、ポイントになる部分の動きはなるべく大げさに、大胆に形を作って記録しましょう。その数字を追いかけて、練習を重ねることが大切です。最初のうちは感覚が大きく変わる分、ボールが曲がったり、上手く当たらないこともあるでしょう。しかし、大げさに形を作る練習を繰り返すことで、スイングは確実に進化しますよ」

さらに岩本プロは、目指すべき良いスイングの形だけでなく、あえて悪い形のスイングもデータとして残すべきだと話します。

「良い形だけを見て練習を続けていると、だんだんどの部分を直したかったのか、今のスイングはどれくらいレベルアップしたのか、分からなくなってしまうことが多いです。そこであえて、悪い時のスイングを記録しておき、両極のスイングをチェックしながら練習を行うことで、その時のスイングが良い時と悪い時、どちらに寄っているのか判断しやすくなります。スイングの直したいポイントも明確になりますので、より効率的な練習ができて、スムーズな上達が可能となるはずです」

スイングを変えるのは、非常に大変なことです。「合成スイングアバター」を活用し、良い形と悪い形、両方のスイングを見ながら練習することで、短期間でスイングを向上させることが可能になるのです

『マトウスゴルフ』を使ったレッスンは初心者ほどメリットが大きい

スイング時における前傾姿勢や捻転量など、具体的な数字を詳細にチェックできる『マトウスゴルフ』は、上級者にメリットが大きいツールと考えられがちです。岩本プロはむしろ、初心者や100切り、90切りを目指す中級者にこそ、『マトウスゴルフ』を使うメリットが大きいと話します。

「ゴルフの上達には、正しい体の使い方を覚えることが必要不可欠です。しかし、この感覚は初心者になるほど身についておらず、意識と実際の動きのギャップが大きくなります。そもそもゴルフの体の使い方は日常にない独特なものが多いですから、何も知らずに練習すると、手先だけでクラブを振ろうとしてしまい、結果、スイングに悪い癖がついてしまうことが多いのです。初めから『マトウスゴルフ』を活用して、数字に触れながら練習をしていれば、正しい体の使い方を理解し、体感しながら覚えることができます。初心者のうちに、こういった感覚を身につけておけば、上達スピードは格段に上がりますし、ゴルフをより一層楽しむことにもつながるはずです」

岩本プロは、『マトウスゴルフ』を使用する際、スイングだけでなく、ドリルや体を動かすエクササイズでもリアルタイムチェック機能を活用しています。タブレットの画面で動きを見せながら、どうすれば良い動きになるのか、丁寧な指導を行うことで、練習をより楽しんでもらえているようです。

ドリルやエクササイズでも、『マトウスゴルフ』の計測は役に立ちます。ただ体の動きを口頭で指導するよりも、数字を見せて、それに寄せていくように考えてもらった方が理解も、上達も早くなるからです

『マトウスゴルフ』を活用することでレッスン時間を効率的に使えるようになった

「繰り返しになりますが、スイングを変えるという作業は、非常に難しいものです。“右肩が出ているよ”と口頭で伝えて、その場で直してもらっても、次にアドレスを取ったら元に戻っているなんてことは日常茶飯事です。どうすれば変化を実感してもらえるのか考えた時に、『マトウスゴルフ』でリアルタイムの数字を見せることがすごく有効だと気づきました。その時の数字を見せながら、目標とする数字に合わせてもらう方が、生徒さんにも理解してもらいやすいですし、スイングも短期間で整ったものに変化します。コーチにとっても、生徒さんにとってもレッスンの時間を効率的に使うことにつながりますから、ぜひ『マトウスゴルフ』は今後も活用していきたいですね」

さまざまな場所でレッスンを行う岩本プロにとって、持ち運びやすさも備えた『マトウスゴルフ』は欠かせないツールになっているようです

【プロフィール】
岩本肇

1974年生まれ。名門、日本大学体育会ゴルフ部で腕を磨き、卒業後はツアープロを目指して、ゴルフ場の研修生に。アジアンツアーなど、海外の試合にも出場し、多くの選手とプレーする中でスイング理論そのものに興味を持ち、レッスンの道を志す。2010年にはPGAティーチングプロ資格A級を取得。レッスン技術向上のためにさまざまなセミナーにも参加し、情報を日々アップデータ。現在は東京都内を中心にレッスン活動を行い、ジュニアから初心者、シングルプレーヤー、ツアープロまで幅広いレベルのゴルファーを指導している