【新機能紹介】
「キューブ」

「時に複雑な『マトウスゴルフ』の数値を分かりやすく説明するための新しい見せ方です」

『マトウスゴルフ』で計測したスイングデータを、より分かりやすく理解し、伝えられる新機能「キューブ」がリリースされました

アプリに追加された新機能を『マトウスゴルフ』導入プロが解説

3次元でスイングを計測できるセンシングウェア『マトウスゴルフ』。これまで感覚的で分かりづらかったスイング時の前傾角度や体の回旋量を“見える化”することで、効率的なゴルフレッスンを可能にするツールとなっています。計測データをチェックするアプリは日々アップデートされ、新機能も続々とリリースされています。今回は新機能の一つ「キューブ」を使用した計測データのチェックについて、アプリの研究・開発にも携わっている高橋圭祐プロに解説していただきました。

東京都内のスタジオを中心にレッスン活動を行う高橋圭祐(たかはし・けいすけ)プロ。最先端の機器を駆使し、ゴルファーが上達を実感できるレッスンをモットーに指導を行っています

『マトウスゴルフ』による計測を最大限に生かす見せ方

背中と腰、左手首の3か所にセンサーを付けることで、3次元のスイング計測をできることが『マトウスゴルフ』の強みです。生成したアバターを360度、あらゆるアングルからチェックできるのも3次元での計測を行っているからですし、軸の傾きなども加味した高精度な数字は、スイングの問題点を見つける上で、欠かせないものだと言えるでしょう。

一方で、3次元に計測した数字は、時に複雑で、レッスンの現場でお客様にスイングの改善点や成果を伝える際に混乱を招く恐れがあります。

トップのポジションを例に取ると分かりやすいでしょう。『マトウスゴルフ』を着用し、背骨を軸にした正しい回旋動作を行い、「背」の角度を見ると、アドレス時に35〜40度だったものが、トップでは20度前後まで変化します。一般的に前傾姿勢は「キープ」した方が良いと言われますから、この数字の変化だけを見ると前傾姿勢が変わる悪い動きをしているように感じる人がいるかもしれません。

「回旋動作を行うには、正面から見た状態で体の軸を少し左に傾けながら、左肩を下に、右肩を上に上げるように体を回していきます。そうすると背骨の角度はアドレスの時よりも沈み込むように深くなるのが正解で、『マトウスゴルフ』のように3次元で、背骨の正確な角度を計測する場合、数値が変化するのが正しい動きなのです。しかし、前傾姿勢はキープするものと考えるお客様からすると、数字が変化することが気になってしまい、正しい動きを良いものに感じられなくなる恐れがあります。そこで活用したい機能が“キューブ”なのです」

「キューブ」機能は、3次元で計測した数値を平面的な2次元の数値に変換する機能です。アバターを表示した状態で「角度ビュー」の「キューブ」ボタンをタップすることで表示が切り替わります。「センサ」では「背」の角度が変化する正しいスイングをした場合でも、「キューブ」なら「背」の角度がアドレス時からキープされて表示されるようになります。

左が「センサ」で、右が「キューブ」の表示。どちらも同じスイングの同じタイミングの数値だが、「背」の数値が大きく違います

「キューブ」は動画に線を引いたイメージで数字が見られる

数字の違いが出る理由は、3次元の計測が背骨の詳細な角度の変化を追っているのに対し、2次元では後方から平面的にスイングを見て、頭と腰を結ぶラインがどれくらい変化しているかを計測しているためです。動画を撮り、画面に線を書き込んで、角度の変化を見るのと同じ感覚ですね。体の中で背骨が大きく動くことで頭が動かず、体全体の前傾姿勢がキープされていることが、2次元に置き換えることでシンプルに理解することができるのです。

「ただ腰と頭を結んだラインの角度を保つなら、体を右サイドにスエーさせるなど、さまざまな方法が考えられます。しかし、こういった動きでは効率的なスイングにはなり得ません。正しい体の使い方ができているかを判断するには、3次元で計測した数値がやはり不可欠なのです。しかし、その複雑な数字の意味はコーチが理解していれば十分なことです。3次元の数値で課題を見つけ、コーチがレッスンで直し、“キューブ”のシンプルな見せ方で成果をお客様に伝える。数字の見せ方を工夫できることは『マトウスゴルフ』ならではのメリットだと言えますね」

正しい体の使い方は3次元の計測でないとしっかりチェックできません。写真左は背骨を軸に回旋できた形で、右は体をスエーするように手で上げた形。2つの形は「キューブ」だと同じように「背」の角度がキープされていると表示されてしまいます。状況に応じた数字の使い分けが大切なのです

肩の回旋量は「センサ」の方が大きく表示される

一方で、「センサ」の計測数値を見せた方が良い場合もあると高橋プロは言います。

「スイングを真上から見て、回旋量を見ると“センサ”の数値よりも“キューブ”の数値の方が少なくなります。これは真上から平面的に見た体の回転量よりも、背骨を軸に回旋した量を計測した方が、角度が大きくなるからです。こういったケースでキューブの数値を見せてしまうと、十分な回旋ができているのに足りないと考えて、余計に体を回そうと考えるお客様が出る可能性があります。スイングを崩すだけでなく、体に余計な負荷をかけて怪我につながる恐れもありますから、“センサ”の3次元の数値を見せて、しっかり回旋できていることを伝える必要があります」

このように、3次元で計測する数値とキューブで見せる2次元の数値にはそれぞれメリット・デメリットがあります。状況によって数字の見せ方を使い分けることで、より効率的な指導が可能となるのです。

「私がレッスンで大切にしているのは、お客様と“何のためにスイングを直すのか”しっかり話し合うことです。飛ばしたいのか、曲げたくないのか、目的によって目指すべき数字が変わってくるからです。ただ漠然と“スイングを良くしたい”と考えていたら要注意。無理に回旋量を増やすなど、スイングの数字ばかりを追いかけてしまう危険があります。お客様とビジョンを共有し、細かく目標を決めながらレッスンを行うことで、『マトウスゴルフ』の正確な計測数値は最大限生かされることは間違いがありません」

また、レッスンを行うコーチ側のスキルも『マトウスゴルフ』を使うことで確実にレベルアップできるとも話します。

「同じティーチングプロでも感覚的なレッスンをしている方は一定数いると思います。多くのゴルファーを指導してきて、その経験から感覚的に答えが導き出せるのでしょう。それだけでも十分に感じるかもしれませんが、スイング計測を重ね、どういう数字が出れば良いのか、データを蓄積していけば、感覚で理解していたものをより具体的に解説できるようになります。指導のクォリティは間違いなく上がっていきますし、お客様にとってもより有意義なレッスンができるようになるはずです」

ただ数字を追うのではなく、“何のために上達したい”のかを考えることが大切と高橋プロ。『マトウスゴルフ』の数字があれば、飛ばしでも、曲げないでも、目標に合わせた確かな指導が可能になります

『マトウスゴルフ』はコーチの役割も担ってくれる

「マンツーマンの指導でレッスンの質を高めてくれる『マトウスゴルフ』ですが、実はグループレッスンにおいても、かなり便利なツールです。例えば、1時間で5人を指導する場合、1人に『マトウスゴルフ』を着用してもらい、目標の数字を決めて練習してもらうのです。要点さえ伝えておけば、あとは数字を見ながら、黙々と練習してもらうことができます。こうすることでお客様の満足度を高めながら、一人一人に割く時間を増やすことができるのです。例えるなら、自分の他にもう一人サポートしてくれるコーチがいるようなものです。使い方次第でさまざまな可能性がある『マトウスゴルフ』はレッスン活動には欠かせないツールですよ」

『マトウスゴルフ』はマンツーマンできめ細かなレッスンを行うことも、グループレッスンでコーチの役割を担ってもらうことも可能です

【プロフィール】
高橋圭祐

高校を卒業後にゴルフを始め、東京ゴルフ専門学校に入学し、スイング理論を学ぶ。卒業後にティーチングの世界に入り、アマチュアを中心に20年以上、レッスン活動を続けている。早期からスイング解析に重要性に着目し、計測機器の扱いにも長ける。個人の体に合わせて効率的なスイングを身につける独自のメソッドが人気で、これまで女子プロテスト合格者や競技で活躍するトップアマの指導も行ってきた。『マトウスゴルフ』の研究・開発にも携わっている